差金決済とは
差金決済とは、ある銘柄を買付または売却した後、同じ銘柄の同日中(同一受渡日)の反対売買(日計り取引といいます)を行い、売却金額と買付金額との差額の授受により決済することをいいます。実際の有価証券受渡は行われず、売買差額の相殺のみで決済を行いますが、信用取引以外でこのような取引は金融商品取引法で禁止されています。
【同一受渡日の売買可否の事例】
買い→売り→買いの場合
口座詳細 仮定:現金100万円/未受渡の損益0円/買付可能額100万円/A株 20株
取引前の口座詳細 | 取引銘柄・数量 | 取引可否 | |
取引1:買い |
現金 100万円 未受渡の損益 0円 買付可能額 100万円 |
銘柄A 80株 取引額 80万円 | 可 |
取引2:売り |
現金 100万円 未受渡の損益 -80万円 買付可能額 20万円 |
銘柄A 100株 取引額 100万円 | 可 |
取引3:買い |
現金 100万円 未受渡の損益 20万円 買付可能額 120万円 |
銘柄A 30株 取引額 30万円 | 不可 |
取引3におけるA株買付:A株は取引1で80万円分の買付をしているので、取引3でのA株買付額は最大で20万円(100万円-80万円)です。
-取引3でA株以外の株式を買付する場合-
「現金」と「買付可能額」のどちらか少ない方を上限として可能です。この例では、取引3を行う前の口座詳細は「現金」100万円、「買付可能額」120万円なので、100万円まで買付可能です。
取引前の口座詳細 (キャッシュ) |
取引銘柄・数量 | 取引可否 | |
取引1:買い |
現金 100万円 未受渡の損益 0円 買付可能額 100万円 |
銘柄A 80株 取引額 80万円 | 可 |
取引2:売り |
現金 100万円 未受渡の損益 -80万円 買付可能額 20万円 |
銘柄A 100株 取引額 100万円 | 可 |
取引3:買い |
現金 100万円 未受渡の損益 20万円 買付可能額 120万円 |
銘柄B 30株 取引額 60万円 | 可 |
売り→買い→売りの場合
口座詳細 仮定:現金 50万円/未受渡の損益 0円/買付可能額 50万円/A株 30株
取引前の口座詳細 (キャッシュ) |
取引銘柄・数量 | 取引可否 | |
取引1:売り |
現金 50万円 未受渡の損益 0円 買付可能額 50万円 |
銘柄A 20株 取引額 20万円 | 可 |
取引2:買い |
現金 50万円 未受渡の損益 20万円 買付可能額 70万円 |
銘柄A 40株 取引額 40万円 | 可 |
取引3:売り |
現金 50万円 未受渡の損益 -20万円 買付可能額 30万円 |
銘柄A 50株 取引額 50万円 | 可 |
取引4:買い |
現金 50万円 未受渡の損益 30万円 買付可能額 80万円 |
銘柄A 30株 取引額 30万円 | 不可 |
取引2では「現金」50万円を上限として買付可能
取引4におけるA株買付:A株は取引2で40万円分の買付をしているので、取引4でのA株買付可能額は最大で10万円(50万円-40万円)です。
-取引4でA株以外の株式を買付する場合-
「現金」と「買付可能額(未決済の売買金額を考慮した上での現金)」のどちらか少ない方を上限として可能です。この例では、「現金」50万円で「買付可能額」80万円なので、50万円まで買付可能です。